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セルヒオ・ラミレスのニカラグア

セルヒオ・ラミレスは現在、ニカラグアを代表する作家です。先日行ったブックフェアーでも著書が並んでいましたし、昨年はセルバンテス賞(スペイン語の作品を対象としてスペインの文学賞)を受賞している人ですが、過去にはダニエル・オルテガ政権下で副大統領を務めたこともあります(1985〜90年)。

もっとも、その後はサンディニスタとは袂を分かれ、もっぱら文筆業に精を出しているようですが、私が毎朝通勤時に聞いているラジオ番組で電話インタビューに答えていました

その内容をここに掲載しておきたいと思います。インタビュアーはルイス・フェリペ・バレンスエラとマリエロス・フエンテスです。

ーサンディニスタ革命から39年が経過しましたが、なぜこのような抑圧が起こったのでしょう?

私が悲観的な人間なら、ニカラグアの歴史は繰り返すのだと言うでしょう。独裁者が別の独裁者にとって代わる。権威主義者が別の権威主義者を倒すのです。1893年がそうでした。それから1970年代のアナスタシオ・ソモサ、そして現在のこの政権です。

残念ながら、革命は遠い昔の出来事のようです。それと言うのも、傷を負った現政権が大衆の意志に反しているということ以外、何も残らないからです。

2つの出来事は全く似通っていません。1970年代、若者は武器を手にしてソモサを打倒しました。今日、若者は自分たちの命を危険にさらしています。大きな違いはここにあります、以前は武装闘争でした、でも今は武器を手にしていません。

もう350人が亡くなりました。自分の身を防ぐ術もなく撃たれ、銃撃されて殺されたのです。これはかつてなかったことです。軍隊の持つありとあらゆる武器に丸腰で対抗しているの争です。

ーダニエル・オルテガが市民を攻撃するという決断をしたのはなぜでしょう?いつか気がつくことがあるのでしょうか?

その内、雲の上から降り、この国が廃墟となっているのに気づく時がやってきます。ニカラグアの経済はとても小さい。コスタリカよりはるかに小さいのです。既に外貨5億ドルを失いました、輸出は減少しています。30万人が失業し、レストランやバーは店を閉めてしまいました。6時以降は外出禁止令が出ています。

権力にしがみつこうとする人物にしか、このような状況を生み出すことはできません。市民と権力の間には大きな溝があります。市民は権力を拒否し、権力が直ちに小さくなることを希望しています。問題の解決のためには交渉する必要があります。内戦を起こしてはいけません。

ーオルテガの側にいるのは誰でしょう?

誰もいません。カトリック教会は暴力行為の被害を受けていることを告発しています。教会は略奪の被害にもあっています。仲介役である教会に対して戦いが仕掛けられています。民間企業は既にオルテガから距離を置いています。町の人々もそうです。

ストライキが呼びかけられた時、市民が亡くなりました。デモ行進が呼びかけられた時、通りは人で溢れました。オルテガは機関銃を持った側近に囲まれています。しかし、市民社会は背を向けています。

ー国際社会からの圧力についてはいかがですか?

とても重要です。問題が外側から解決すると言うことはできませんが、昨日の米州議会での決議はとても重要です。21ヶ国がオルテガへの非難決議に賛成票を投じました。棄権したのはボリビア、エルサルバドルと欠席したカリブの国でした、名前を思い出せませんが。つまり、ニカラグアは全く孤立しているということです。圧力はより大きくなります。

ロサリオ・ムリーヨはダニえ流・オルテガにどのような影響を与えているのでしょうか?

オルテガが彼女に与えた権力を有しています。そして大きな権力を受けたのです。このように親密な関係にある権力と言うものを私は知りません。どちらがどちらに影響を与えているのかはわかりません。二頭政府です。

ーアルノルド・アレマン(注;元大統領)のような人物はどうするのでしょうか?オルテガを支援するのでしょうか?

それはオルテガを権力につけた汚職システムの一部です。アレマンは国会で偽の野党を率いています。何の意味もありません。アレマンのような政治家は恥ずかしいと思っているので、このような機会には顔を出しません。

ーニカラグアの状況をこうやって話すことで身に危険があるとお考えですか?

ここでは誰もがリスクを冒しています。政府と同じテーブルについた全国対話のメンバーは、一人ずつ逮捕されていっています。先住民の代表であるメダルロ・マイレナは、警察官4人を殺害した容疑者となっています。ロサンゼルスに向かおうとしたところ、マナグア空港で逮捕され、翌日、裁判に付されました。

市民運動のリーダーや全国対話の他のメンバーも、警察が探し回っています。政府が全国対話を行うと言っている一方で、これに参加するメンバーや、立会人である司教・司祭を追求しているというのは説明不能です。

2018

『お金2.0』が大変面白かった。信頼できる人に薦められなかったらまず手に取らないジャンルであった。何しろ「経済」「金融」「お金」という言葉が出てきただけで基本頭がフリーズしてしまうので。

しかし、この本は、「経済システムとは何か」から解説してくれ、しかも、その「経済システム」は自然の営みと本質的に通じるものだと説くことから始まる。そして、経済システムと自然の営みと人間の脳の働きの類似性までも。その手の話は大得意なので、おかげでわたしでも「なるほど!」と面白く読めた。

話題の仮想通貨についても、現在の資本主義経済に取ってかわるものという観点ではなく、もっと大きな動きの中で自然な流れとして起こった「分散化」と「自動化」であるという文脈で語られるとすんなりとわかりやすかった。

お金にしばられない生き方なり社会というのは今後必ずや起こるだろうと勝手に信じているのだが、この本のおかげで、どうしたらそんな社会が起こりうるのかがより具体的に実感を持って理解できた。

ところで、本の中には、イギリスの作家、ダグラス・アダムス氏の言葉が出てくる。

人は自分が生まれた時に既に存在したテクノロジーを、自然な世界の一部と感じる。15歳から35歳の間に発明されたテクノロジーは、新しくエキサイティングなものと感じられる。35歳以降になって発明されたテクノロジーは、自然に反するものと感じられる。

この言葉には賛否両論があるようだが、わたし自身と照らし合わせると、新しいテクノロジーの多くを「自然でない」と最初から否定しがちなので、納得である。ただ、この本のおかげで、ほとんどのテクノロジーの進化も進歩も宇宙の自然の流れの中で生まれた有機的なものなんだ、だったら賢く使うことが人間のやることだ、という、大きく、かつ前向きな視点を持つことができたことが個人的には何よりの収穫といえる。

ブックフェアー

国際ブックフェアー (FILGUA: Feria Internacional de Libro en Guatemala)が今月12日から22日までの日程で開催されています。今年で15回目のブックフェアー、テーマは「おフランス」。

なので、フランスの作家も大きく取り上げられていますし、講演会もフランスがテーマとなっていたり。フランスと言えばユーゴーとか大デュマとかですが、今はそれほど興味あるわけではないので、講演会には食指が動きません。

大体、今年は溜まっている本を読むことに決めているので、今更ブックフェアーなんぞに行って新しい本を買うわけにはいかないのですよ!!!

そうは言っても折角のブックフェアー、行かないのもまた寂しい。

と色々逡巡しながら行ってきました。本は買いませんからね!!!買わないったら買わないの!!!

午後になったら混むだろうと思ったので、本日はW杯の3位決定戦が終わった後、ダッシュで出かけました。エルサル街道は途中で事故渋滞があったのですが、それ以外は交通量はあっても渋滞なし。ちなみに、3時間後くらいに同じ道を引き返した時、こっち方面(我が家への帰路とは反対方向)はメチャ混みでした。やっぱり早く出かけて良かった。

あ、そうそうベルギー、やっぱりいいチームですね。あのカウンターの切れ味、実に気持ちいいです。

さてFilgua。

ここは元々会員向けスーパーだったのですが、現在イベント会場になってます。「国際」なので、近隣メキシコとかエルサルバドルとかニカラグアとかホンジュラスとかコスタリカとかペルーがブースを出したりしてました。なぜかないのはホンジュラス。

大人向けから子供向け、マヤ語の本やら子供向け学習教材など、いろいろ一度に見られるのは面白い。 でも折角ですから、普段行く書店で見られないような本を見てみたいですよねぇ。

古書店も出店しており、なかなかお目にかかれないような年代物の本も。上の右側に並んでいる「アルスー」は先頃亡くなったグアテマラ市長アルバロ・アルスーを取り上げたメンデス・ビデスの作品ですが、それ以外は大体20年とか30年とか40年とか、そんな感じの完熟本。シミがあったりするけれど。。。

本棚の左側にある、男性の顔が表紙となっている本。これは最近出版されたのかな?「バイロン・リマ・オリバ」と言えばアルスーが大統領時代にボディーガードも務めた人であり、その後はフアン・ホセ・ヘラルディ司教殺害に関わったとして有罪判決を受け、服役中に殺害されたその人であります。そのリマ・オリバ
の「自分は無罪だ」という本なようで(著者は別人ですが)、「本は買わない」と決意してきたので買いませんでしたが、うむ、ちょっと気になる。。。

他にも面白そうと思った本はあったのですが、買っていません!いや、1冊だけ。。。本というか、小冊子。それからDVD2本。本じゃないから!!!

グアテマラで製作された映画で、見つけた時にちゃんと買っておかないと。

こうして、本の誘惑に少し負けたけれど、何とか生きて抜け出せた気がします。

そうそう、壁にあった展示によれば、グアテマラが誇るノーベル賞作家のミゲル・アンヘル・アストゥリアスは若い時に渡仏し、ソルボンヌ大学で勉強したのですが、担当教官がマヤに造詣が深い方で、ポポル・ブーのフランス語訳を出していらっしゃったのですね。アストゥリアスは在学中に級友のメキシコ人とともに新たなスペイン語訳を行い、その後も「カクチケル年代記」なんかも訳しています。ただ、これは原語からの訳と言うよりは担当教官が作ったフランス語訳からの訳だったようです。「魔術的リアリズム」はマヤ人とフランス人に影響されて出来上がった物だったってことでしょうか。

フランス時代のアストゥリアス。わー。何だかコミックにでも出てきそうな顔立ちだわー。それにしてもこの時代、結構多くのグアテマラ人がパリにいたような。基本的には資産家の子女でなければ無理でしょうが、前世紀前半のグアテマラの文化はおフランスの影響が大きそうです。

2018

How you can save 4 lives every time you get your hair dyed

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Beauty

燃える部屋 上・下

燃える部屋 上・下
マイクル・コナリー
講談社文庫

ハリー・ボッシュシリーズ待望の最新作.と言っても,和訳されていない作品が2,3作あるみたいなので,翻訳者さん頑張ってください!!と期待しながら本を買うのみ.

ボッシュも年を取ったみたいで,昔みたいな銃撃戦とかはしなくなった.その分,推理とか駆け引きを楽しめたので,今後の作品にも期待.

今回は,10年前の銃撃事件がきっかけで最近なくなったメキシコ人楽団のギタリストが死んだ事件の捜査.メキシコ系新米刑事ルシアとペアを組み,刑事としてのイロハを伝えながら捜査をすすめるボッシュ.

ルシアが刑事を目指すきっかけとなったアパート火災が同時間帯に近所で起きた銀行強盗の一貫であることを突き止めるボッシュ・ルシアペア.真犯人の実行犯は既に亡くなっており,内部犯である女性銀行員は出家.ボッシュ・ルシアが事情聴取をしたいとの情報を得た内部犯は旅先で死亡.

メキシコ人楽団のギタリストの銃撃犯の狙いは楽団の別の人だった.銃撃犯の知人であるコンクリート王の妻の不倫相手を脅すつもりが,間違えてメルセドを狙撃してしまったという話.コンクリート王は銃撃犯を殺害.

前市長も犯罪に関与していたみたいな話だった気もするけど,全然思い出せない.

内容(上巻): 定年延長制度最後の年をロス市警未解決事件班で迎えたボッシュはメキシコ系新米女性刑事ルシア・ソトとコンビを組むことに。ふたりが担当するのは、10年前広場で演奏中に銃撃され、体に残った銃弾による後遺症で亡くなったオルランド・メルセドの事件。体内から取り出した銃弾を手掛かりに捜査が始まった。 (Amazonより)

内容(下巻): 生前、車綺子のメルセドを帯同し、治安改善を訴え市長選に勝利。州知事を目指すザイアスは彼の死を利用しようと事件解決をボッシュに強く迫る。一方相棒ソトが7歳で経験した未解決の火災についても捜査を進めると、2つの事件が関連し、衝撃の展開となる。シリーズ25周年記念特別エッセイを巻末収録。 (Amazonより)

STAP細胞の真実_日本中が驚いた小保方晴子氏を巡る騒動劇の全貌解明!

STAP細胞の真実_日本中が驚いた小保方晴子氏を巡る騒動劇の全貌解明!
岡田 愛史
東京サイエンス出版

Kindle Unlimitedで利用してみた.買う必要なし.読む必要なし.

タイポ多すぎ.文章下手すぎ.著者のプロフィール・出版社などあらゆる点が怪しさを強調している.

全部読んだけど,今後については何も触れていない.スピリチュアル(笑)というか,一発芸というか,このような文章に騙される人がいるんだなと思うと悲しくなる.

内容紹介:
第一章 STAP細胞の量子作用
1・STAP細胞の原理
2・量子力学から見たSTAP細胞
第二章「STAP細胞」報道の展開 
1・日本の報道姿勢の問題点
第三章 STAP細胞騒動の総括
1・若山氏の動向変化と疑惑
第四章 NHKスペシャルと笹井氏の自殺
1・NHK報道スペシャルの罪
2・須田桃子『捏造の科学者』による小保方氏冤罪へのイメージ作りと世論洗脳工作
3・日本のジャーナリズムの捏造的偏向報道の罪
第五章 出始めた小保方氏名誉回復への動き
1・有識者や海外メディアの認識
2・書籍、電子書籍による空中戦
3・小保方弁護団による損害賠償請求・名誉回復への反撃プロローグ

出版社より
本書一冊でSTAP細胞騒動の過去と今後のすべてが解ります。

読書記録 恩田陸「上と外(上・下)」

本のカバーはティカルの写真で、ひょっとして何か関係ある?と思ったらやっぱりでした。

もっとも、グアテマラの話というよりは、架空のG国にグアテマラっぽい要素を詰め込んだファンタジーと言った方が正確でしょう。グアテマラっぽいキーワードというのは、マヤ、ティカル、神殿、クーデター、火山という辺りかな。ただし、グアテマラという国を知っている人間が読めば、逆に「?」となるところも多いです。

【あらすじ】
中学生の練は妹の千華子、義理の母であった千鶴子とともにG国で考古学者として調査を続ける父親の賢の元を訪れる。旅行も大詰めになったところで一家はヘリコプターでティカルを訪れるが、その道中で勃発したクーデターのどさくさのため、練と千華子はヘリコプターから放り出され、ジャングルの緑に飲み込まれる。賢と千鶴子はヘリを操縦していたクーデター派の軍人に人質として身柄を拘束されるが、見張りが油断した隙に監禁所を逃れることに成功、ティカルから最寄りの町であるフロルへと向かう。

一方練と千華子は幸い怪我なく地上に降りたものの、視界の効かないジャングルの中でのサバイバルを余儀なくされる。偶然見つけたマヤの遺跡らしい神殿には、マヤ系の11人の少年らがおり、練は彼らとともにマヤの成人式に参加することを強要される。彼らが「王」と呼ぶジャガーのいる地下の迷宮で3日間サバイバルする儀式を生き延びたものの、火山の噴火により危機に晒される。

楽しいはずの家族旅行がお互いの関係により段々酸っぱいものへと変化し、挙げ句にはクーデターに巻き込まれて親子バラバラ。子どもたちはサバイバルを余儀なくされる、っていう展開にはものすごく引き込まれたのだけれど、その状況を打開していくはずの後半がいかにもご都合主義的なのが残念です。

火山が首都とジャングルの両方に影響を及ぼす的な設定はストーリーのために必須だったとしてもあまりにも世の中狭すぎる。地下の迷宮が神秘的というよりは近代的なのもガッカリだし、その中にジャガーを入れて肝試しさせるというのは謎設定。わざわざジャガーをそんなところに連れてこないでも、ジャングルでやればいいじゃん。。。またその迷宮が実は火山の溶岩を流すためのものでした、というのも、溶岩が水のようなものならいいけれど、実際には付近の物をすべて巻き込んで流れていくし、火砕流があったら地下水路ではダメだよねというのは最近学習したばかりなので、どうしても設定の甘さが気になってしまいます。またクーデターもなぁ。。。国軍がこんなしっかりした組織だったらいいなぁ。羨ましい。

ファンタジーだとはわかっていても、ついついツッコミだらけになってしまって申し訳ないのですが、私はゲド戦記の第2巻「こわれた腕輪」に出てくるあの真っ暗で容易に誰も入れない地下迷宮が好きな人間なので、なぜか地下深いところまで灯りに照らされているハイテク迷宮は肌に合わないのです。マヤといいながら、およそマヤとは遠い世界を作り上げてしまった、というところで、ストーリー云々ではなく物語の背景にひっかかって物語世界に入り込めずに終わってしまいました。冒険譚というよりは家族の離散と再会の物語という方が正しいのかもしれません。

それにしてもスーパーな一家です。特にじいちゃん最高!

2018